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さよならADバン

会社の営業車ですが、僕が入社以来、専用に与えられた車両です。

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4月11日 走行187000kmぐらいで入替えとなり僕の元を旅立っていきました。僕は、クルマを手放すときジーンとくるのが少ない方なんですが、今回は思いのほか何故かジーンときました。

僕は、以前にも書きましたが東京で生活している時は、年収が4桁に少し届かないくらいで、ブランドスーツにロレックス(ドゥービル買うときに売りました)、首都高をちょっとしたセダンで高層ビルに通勤し、仕事内容も人に指示を出す立場でした。今では恥ずかしいですが、自分の考えや思想なんかもあった事すら忘れ、完全にメディアに洗脳されて自分に酔っておりました。

こちらの生活を選んだのは「生き方を変えてみたかった・・・」なんてのは、あくまで格好つけた言い方で、大きいきっかけは慢性的な病気で薬では効果が上がらなかったのと、その会社が大きな借り入れで成り立っている事実と、ガラスのように繊細で脆く、熾烈な競争をしてキープしているこのポジションがバカらしくなった・・・のが本音ですかね。

そう思って移住はしたものの、この20年弱で培った考えは、そう簡単に払拭するのは難しく、このバカみたいで全く意味の無いプライドのおかげで、なかなか就職は出来きず、やっと就職出来たものの、小規模の会社なので、仕事の分業化や効率がなっていなく、またビジネススキルも「あ然!」の方も多くイライラし・・・しかも、以前の生活と打って変わって与えられたのが、このADバンでした。

今となれば・・・なんですが、当時の僕の率直な気持ちは「この俺が・・・落ちぶれたもんだ」と思いましたよ。今はこの生活に充分なほど馴染んでいますが、その道のりにはメディアから脱洗脳するのと、無意味なプライドを捨てるのには、それなりの努力が必要なんですよね。

この道のりを一緒に歩んでくれたのが、このADバン(平成11年モデル)です。見ての通り、装備は必要最低限で、もちろん動力性能も必要最低限(笑)。でも、結果として何処でも行けるのです。ナビもありませんが東京にも行きますし、ABSもありませんが真冬の大門街道も走ります。高速も急いでいる時は、フランスの制限速度での巡航も可能です。要するに移動には申し分ない訳です(ロードノイズは素晴らしく、おまけにほぼ鉄板なので雨が降ると電話の声が聞き取れませんが)。もっと言えば、大門の下りで煽られた事は一度もありませんよ(笑)。

これは・・・人生についても同じ事が言えるのでは・・・なんて考えたりもしました。おかげで収入が三分の一でも、軽自動車しか持っていなくても、クラブへ飲みに行かなくても、会社でアホみたいな出来事があっても、楽しく生活できる様になりました(笑)。

4年間、悩みながら走った思い出の一台となりました。しかし、この世は諸行無常でございますから、必ず別れが来る訳です。
ありがとうADバン、人生に何が必要かを問う一台で、お金至上主義でゲーテを読んでいる様な人とTVを始めとするメディア信仰で流行が全ての人にはわからない、思い出深い一台となりました。

そして、新たな相棒はこちら

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見ての通りでホンダ フィットシャトル ハイブリッドです(グレードは最低です)。すんごい進化です(笑)。ちなみに僕が選んだ訳ではありません。普通に行けばNew ADバンなんですが、僕は、運良く・・・は微妙ですが、上田市にある有名なドゥービルにも採用されているブレーキメーカーが担当先で、そちらの紹介で購入したのです。しかも、現在、ホンダには商用バンがなく、これがそれに値するそうなのです。しかも、会社ではエコアクションに取り組んでいるので、売上が悪いのに何を勘違いしたのかハイブリッドとなりました。そもそも田舎ではあまり効果が期待出来ない技術なのに・・・完全にメディアにやられております(笑)。

まだ、2日しか乗っていないのでインプレは5000km過ぎたぐらいにしますが、これにも、僕の苦手なアイドルストップがついていました。不自然な減速(バッテリーチャージによる)とアイドルストップが重なって、低速の走行は下手くそなドライバーのマニュアル車の様です(笑)。思いっきり攻めていないのでまだ何とも言えませんが、ハンドリングは個人的にトヨタのクルマより好感触です。国産車はマツダが一番と決めておりましたが少し揺らぎました(笑)。Egはプリウスの加速は全くありません(笑)。中央道下りの須玉からの激しい登りは、けっこう頑張っている感がありますがCVTがそれを上手くカバーしていますね。今回は何故かナビもABSも・・・ついでに横滑り防止もついております。なんか最新の技術盛りだくさんです。しかし良く出来ているなぁ・・・でも、うーん、、、これに200万円は僕は出せませんね。僕の自動車に対する理念と少し違う方向なので・・・運転にドキドキ感を見出せない。清水 草一先生のような大乗フェラーリ教みたいな部分がないと、僕はダメなんだろうなぁ・・・たぶん(笑)。

 

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